夏の草花。
季節とともに、当店の庭の草花も移ろいでゆきます。
夏椿(別名、沙羅双樹の花)も短い花期を
精一杯に咲いています。
一句 ウィズコロナ この世は無常 夏椿 てんちょう
≪夏椿≫
≪桔梗≫
≪ギボウシ≫
≪ねじり花≫
≪カラー≫
当店の周りでは、ホトトギスが鳴き、鶯が老いを鳴いています。
一句 暮れゆくや 愛犬と聴く ほととぎす てんちょう
一句 老鶯や 暮れゆくひとときの 坐禅 てんちょう
「幽鳥弄真如(ゆうちょうしんにょをろうす)」
という禅語があります。
「真如」とは、宇宙の一切の存在をあらしめている
根源的な実体・一切の現象を貫いている
根本的な理法を意味するそうです。
つまり、花にさえずる鳥の声は、
宇宙万物を貫いている根本の真理を
説いているということです。
禅者は、ほとけの説法でないものはないと
受け止め、そこに真理・真実を見据えるのですね。
鳥のさえずりを、如来の説法と受けとめる。
鳥のさえずりは、鳥のさえずりです。
それを説法と感得できるのは、
聴く人の心の深さにあるのです。
そのような絶妙の働きを持つ点に、
人間の尊厳性があるように思います。
※参考文献:禅語百科・禅語の茶掛 一行物(芳賀幸四郎)
松原泰道全集2 禅のこころ