秋草。
秋も深まってまいりました。
秋の草花が、目を楽しませてくれます。
花は、花の命をいっぱいに輝かせて
しかも無心に咲いています。
一句 生命の ひとしずくなり 杜鵑草(ほととぎす) てんちょう
≪ホトトギス≫
≪ツワブキ≫
明歴々露堂々(めいれきれきろどうどう)という
禅語があります。
直訳すると、あきらかに堂々と隠すことなく
あらわれている。
という程の意味になります。
いったいなにが明らかなのか…
真理や悟りや仏教の奥義といったものは
どこか遠いところにあるように思われがちですが
実は、自分の脚下、心中、身の回りに
明歴々とあらわれている…ということです。
生きとし生けるものはみな
宇宙の大生命のひとしずくをいただいて
生きているわけですから
宇宙の大生命つまり如(にょ)「これを仏性という」
が宿っているわけであり
己のなかにすでに仏性が存在しているということになります。
野辺に咲く一輪の花にも
大生命のひとしずくが宿り、いのちいっぱいに咲いているからこそ
美しいのではないでしょうか。
山川草木すべてが私たちに真理を語ってくれているといえます。
自然の佇(たたず)まいから、真理を学ぶ。
「禅」の一側面であります。
2020-10-23 12:07