観音（かんのん）というのは、略称であって「観世音菩薩（かんぜお

んぼさつ）」又は「観自在菩薩（かんじざいぼさつ）」というのが正し

い呼称です。

原語は、古代インド語のサンスクリット語で「アバローキテーシュバ

ラ」といいます。

四世紀の中国のすぐれた訳経僧の鳩摩羅什（くまらじゅう）は、こ

の語を「観世音菩薩」と訳し、七世紀の玄奘三蔵（げんじょうさん

ぞう）は「観自在菩薩」と訳しました。

人々の願いを叶える観音さま

姿を変え人々を救う、変化自在の観音さまは、法華経（ほっけ

きょう）の「観世音菩薩普門品（かんぜおんぼさつふもんぼん）」

に、３３のお姿で人々を救うと説かれています。

無数の人々が、さまざまな苦しみや悩みを受けたとき、この観世

音菩薩の名を一心に称えるなら、観世音菩薩はその人々の称

名の声を観じて、みな解脱（苦悩からの解放）させるであろうと

説かれています。

観音さまが、３３のお姿で苦しみ悩む衆生を救うという、３３とい

う数にちなんで西国三十三所の観音霊場をめぐる巡礼が、平安

時代に始まり、観音信仰が広がりました。

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